リグーリア料理

【Prodotti Tipici/特産物】

Acciughe sotto sale del Mar Ligure
リグーリア海産アンチョビーの塩漬け
料理の味付けに欠かせない保存食。特にラ・スペツィア産が有名。

Basilico genovese
ジェノヴァ産バジリコ
小さな葉と強い香りが特徴。リグーリア料理を特徴づけるジェノヴァ風ペーストに欠かせない。

Carciofi spinosi d’Albenga
アルベンガ産アーティチョーク

Chinotti canditi
キノットの砂糖漬け
サヴォーナ県サッセッロ特産。キノット(柑橘フルーツ)はそのままでは苦味が強いため、砂糖漬けの他、ジュースやリキュールに使われる。

Mitili (Muscoli) di golfo di La Spezia
ラ・スペツィア湾産ムール貝
小粒ながら特徴的で豊かな風味は、地元の詰め物料理などで存分に味わえる。

Olio extravergine di oliva “Riviera Ligure” DOP
エクストラヴァージン・オリーブオイル”リヴィエラ・リーグレ”
州西部産は、黄色味がかった色とフルーティーな甘みが特徴。対して州東部産は、緑がかった色とやや刺激のある苦味を含んだ甘さが特徴。

Olive taggiasche
インペーリア県タッジャ産・黒オリーブ
塩漬け(Salamoia)で保存され、リグーリア風ウサギの煮込みなど、一年を通して料理に使われる。

Pesto genovese
ジェノヴァ風ペースト
バジリコ、オリーブオイル、松の実、ニンニク、チーズを合わせてつくるソース。リグーリア料理のシンボル。


【Cibi di Strada/ストリートフード】

Farinata
ファリナータ
ヒヨコマメの粉で作った薄いフォカッチャ。ローズマリー、タマネギ、しらす等を加えることもある。
トスカーナ州のチェチーナに同じ。

Focaccia di Recco
レッコ産フォカッチャ
クリーミーなStracchinoチーズを挟んだ薄いフォカッチャ。
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Focaccia genovese
ジェノヴァ産フォカッチャ
厚さ1cm前後のフォカッチャ。オーブンでふっくら焼き上げたアイボリー色と、エキストラヴァージン・オリーヴオイルの艶が特徴。タマネギ、ジャガイモ、サルヴィア、オリーヴなどを加えたバリエーションも人気。
リグーリア州全土でパンの代わりに食べられ、バールでは朝食や軽食に欠かせない。

Panissa
パニッサ
ヒヨコマメの粉で作ったポレンタを薄く切って揚げたもの。Panizza, Panicciaともいう。隣接するピエモンテ州南部にも普及。

Sgabei
ズガベイ
リグーリア州東部と、トスカーナ州ルニジャーナ地方のマグラ川沿いVal di Magraの伝統的揚げパン。揚げたてをサラミやチーズに合わせて食べる。
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【Antipasti/前菜】

Acciughe ripiene
アンチョビーの詰め物
材料はパセリ、ニンニク、卵、ハーブ、パン粉など。フライやオーブン焼きなど多様なレシピがある。

Bianchetti al limone
しらすのレモン風味
州特産のしらす(イワシ等の稚魚)をオリーブオイルとレモン汁で味付けしたシンプルな料理。温製でも冷製でも美味しい。秋から冬が旬。

Cappon magro
カッポン・マグロ
魚介類や野菜をふんだんに盛り合わせた豪華な前菜。冷製。ジェノヴァ名物。
その名の通りホウボウ(Cappone)を主に、タイやスズキ、伊勢海老、カキなどと、野菜(セロリ、カリフラワー、ビート、アーティチョーク、ジャガイモ、ニンジン、サヤインゲン)を茹でて盛り合わせ、卵黄、ニンニク、ケーパー、アンチョビー、オリーヴ、松の実、パセリ、酢などで作ったソースと合わせ、豪勢に盛り付ける。
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Frisceu
フリッシェゥー
Frittelleのリグーリア方言。小麦粉と卵などを練った生地に、野草、野菜、しらす、塩漬けのタラなどを加えた揚げ物。干しブドウを入れて甘く揚げるレシピもある。

Muscoli ripieni
ムール貝の詰め物の白ワイン煮
大きめのムール貝の殻に、パルミジャーノ、卵黄、マジョラムなどの香草、刻んだコウイカを詰めて糸でしばって閉じ、トマトと白ワインで煮込んだ料理。前菜の他、第二皿として出されることもある。ラ・スペツィア県を中心に州東部に普及。
この地方では、ムール貝Mitili(南伊Cozze)のことをMuscoliと呼ぶ。

Stoccafisso alla “brand de cujun”
ブラン・デ・クユン
干しダラ、ジャガイモを茹で、ニンニク、パセリ、松の実で味付けし、オリーヴオイル、レモン果汁、卵黄で乳化させて、クリーム状にしたもの。通常、冷ましたものをクロスティーニに塗って食べる。
サンレモを中心とする州西部の名物料理で、元々は国境を接する南フランス由来。ブランダクユン(Brandacujun)ともいう。

Torta pasqualina
復活祭のタルト
春の復活祭の名物料理。春野菜のビエートラ、Prescinsoea(リコッタに似たジェノヴァのチーズ)、卵、マジョラムやルリチシャなどの香草、ナツメグなどを混ぜて、折りパイ生地を重ねて焼いたもの。生命の復活を表す丸ごとの卵がいくつも入る。
極薄の折りパイ生地は、キリストの年齢に合わせて33枚重ねるのが本来の伝統。


【Primi Piatti/第一皿】

Buridda
ブーリッダ
トマト風味の魚介スープ。トーストしたスライスパンが添えられる。塩抜きしたアンチョビー・ペースト、キノコ、クルミを加えるのが一般的だが、レシピは多様。古いレシピでは、干しダラ(Stoccafisso)とジャガイモのみとシンプル。また、州西部サヴォーナではトマトを使わず、香味野菜、オリーヴ、ケーパー、白ワインで仕上げる。

Ciuppin
チュッピン
トマト風味の魚介の裏ごしスープ。ドロッとした濃厚な食感が特徴で、多種多様の魚介類と香草を贅沢につかう。トーストした熱々のパンの上から注いで仕上げる。
裏ごししてさらに魚やイカ、エビやシャコ、貝類などの身を加えたものは、第一皿と第二皿を兼ねる、豪勢でボリュームある一皿。
州全域でつくられるが、特に東部キアーヴァリ周辺の名物。

Corzetti
コルゼッティ
5cmほどの薄い円盤状の手打ちパスタ。家紋やお店の紋章など、木彫りのハンコで両面に紋様が刻印される。
合わせるソースは様々。この地のパスタソース・トッコTocco di carne、松の実とマジョラム、キノコとサルシッチャ、クルミのソースなど。

Linguine ai carciofi
リングイーネのアーティチョーク和え
断面が楕円形のロングパスタ・リングイーネを、アーティチョーク(Carciofi d’Albenga)を使った冬のこの地独特のソースSugo di carciofiで和えたもの。

Mes-ciùa
メスチューア
インゲンマメ、ヒヨコマメ、スペルト小麦のスープ。ラ・スペツィアの伝統料理。
伝承では、港の貯蔵庫で穀物の麻袋を空ける際、女たちが残った穀類を寄せ集めてつくったという。
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Minestrone alla genovese
ジェノヴァ風ミネストローネ
リヴィエラの上質な野菜をふんだんに使ったミネストローネ。パルミジャーノの外皮、香草と一緒に煮て、ショートパスタを加える。冷ました後、ペースト・ジェノヴェーゼで仕上げる。

Pansotti alle noci
パンソッティのクルミソース和え
リコッタ(またはPrescinsoea)、野草(無い場合はルリチシャBorragineとビエトレで代用)、Preboggion、パルミジャーノ、ニンニクなどを詰めたパスタに、クルミのソースを和えた州の代表料理。伝統的にパスタは直角三角形だが、現在では他の形も見られる。
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Picagge
ピカッジェ
幅1cmほどのフェットゥッチーネ(卵入り手打ちパスタ)。ペースト・ジェノヴェーゼ、またはアーティチョーク・ソースSugo di carciofiに合わせられる。Piccaggeともいう。

Preboggion
プレボッジョー
季節の野草の茹で物。パンソッティなどの詰め物パスタや、タルト、ミネストローネなどの具材とする他、ジャガイモと茹でてオリーブオイルをかけてそのまま食す。
野草は地域や季節によって様々。タンポポ、ルリチシャ、ビエトレ、キャベツ、チコリ、キク、ゴボウ、カブ、など多種多様の山菜をつかう。
ジェノヴァ県を中心に州全域でつくられる。

Ravieu al tocco
ジェノヴァ風ラヴィオリのトッコ和え
仔牛の赤身や内臓を詰めた四角形のラヴィオリを、この地のパスタソース・トッコTocco di carne(牛肉と髄、香草、キノコ、トマト、白ワイン)で和えたもの。

Trenette al pesto
トレネッテのペースト・ジェノヴェーゼ和え
断面が楕円形のロングパスタ・トレネッテ(バヴェッテ、リングイーネとも呼ぶ)を、ジャガイモ、サヤインゲンと一緒に茹で、ペースト・ジェノヴェーゼで和えたもの。

Trofie al pesto
トロフィエのペースト・ジェノヴェーゼ和え
細くよじれた小さなニョッキ・トロフィエを、ジャガイモ、サヤインゲンと一緒に茹で、ペースト・ジェノヴェーゼで和えたもの。
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【Secondi Piatti/第二皿】

Cima ripiena
チーマ
仔牛の胸肉を袋状に開け、バターで炒めた仔牛の肉、胸腺、脳、エンドウマメ、パルミジャーノ、ピスタチオなどを卵を加えて混ぜて詰め、香味野菜のブイヨンで茹でて、冷ましてから薄切りにしたもの。ジェノヴァ発祥だが、もはやリグーリア州全体の名物料理。
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Coniglio alla ligure
リグーリア風ウサギの煮込み
他州の同様の料理との違いは、州西部産の黒オリーブOlive taggiascheが加わり、白ワインVermentinoで煮込むこと。州全域に広く普及し、松の実が入るレシピも代表的。
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Stoccafisso accomodato
干鱈(ひだら)の煮込み
水に浸して軟らかく戻した干鱈を、タマネギ、パセリ、ニンニク、アンチョビーと一緒に炒め、白ワインで香りをつけ、トマトピューレ、黒オリーブOlive taggiasche、松の実、ジャガイモとともに煮込む。中世からの歴史を誇る、ジェノヴァのシンボル料理。
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Tomaxelle
仔牛の肉巻き。赤身肉、キノコ、松の実、卵、パルミジャーノ、マジョラム、ニンニクなどを、仔牛の薄切り肉で巻いて楊枝で止め、ビーフブイヨン、トマト、白ワインで煮込んだもの。

Verdure ripiene alla ligure
野菜の詰め物のオーブン焼き
タマネギ、ペペローニ、ズッキーニ、ズッキーニの花、ナス、トマトなどへの詰め物も、すべて野菜類。茹でたインゲンマメやジャガイモを卵で混ぜ、パン粉、オリーブオイル、マジョラム、その他のハーブやスパイスを合わせる。現地では単に”Ripieni”と呼ばれる。


【Formaggi/チーズ】

Prescinseua
プレシンスーア
ヨーグルトのような酸味のあるフレッシュ・チーズ。リグーリア州の料理に欠かせないチーズで、他州ではリコッタを使うレシピに用いられる。Prescinsoeaとも。


【Dolci/ドルチェ】

Pandolce genovese
パンドルチェ
ミラノ銘菓・パネットーネに似たパンケーキで、バターの香り豊かな小さいタイプと、発酵によってより膨らませたタイプがある。