シチリア料理

【Prodotti Tipici/特産物】

Arance rosse IGP
ブラッドオレンジ
シチリア東部原産。タロッコ、サングイネッロ、モーロの3種類。

Cappero di Pantelleria IGP
パンテッレリーア島産ケーパー
フクチョウボク属の常緑低木・ケーパーのつぼみを塩漬けにし、茹でてオリーブオイルと酢で調味する。
温暖で乾燥した気候と火山性土壌の同島産は、イタリアでも最高級品のひとつ。5-9月に収穫。トラーパニ県。

Fico d’India dell’Etna DOP
エトナ産サボテンの実
果汁たっぷりの甘い果肉は生でも食べられる他、モスタルダ、菓子類、グラニータ、ジェラート、リキュールなどに利用される。カターニア県。

Pistacchio di Bronte
ブロンテ産ピスタチオ
艶のあるエメラルドグリーン色で、豊かな樹脂分と強い香りが特徴。カターニア県。

Pomodoro di Pachino IGP
パキーノ産トマト
果汁が豊富な丸形のミニトマト。シラクーザ県。

Salame di Sant’Angelo di Brolo IGP
サンタンジェロ・ディ・ブローロ産サラミ
イタリアでも最も歴史の古いサラミのひとつ。30-100日間熟成。メッシーナ県。


【Cibi di Strada/ストリートフード】

Arancino
アランチーノ
球状もしくはピラミッド形のライスコロッケ。バター風味のリゾットで包む具は、グリーンピース入りのミートソースal ragùが定番。
パレルモでのみ、アランチーナと呼ぶ。
日本語訳で一般的なアランチーニは、アランチーノの複数形。
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Cazzilli
カッツィッリ
円筒形のポテトコロッケ。ミントとパセリが香る。
カターニアではミントの代わりにニンニクをつかう。
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Panelle
パネッレ
ヒヨコマメの粉を練ったものを四角または円形に薄く揚げたもの。Cazzilliとともにパニーノにはさんで食べることも多い。
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Pani ca’ meusa
パーニ・カ・メウーザ
Muffolettaという柔らかいパンに、仔牛の脾臓や肺のボイルをはさんだもの。Pane con la milzaのシチリア方言。Pani ca mievuzaとも。
レモン汁でシンプルに味付けしたSchietta (Nubile)と、細長くすりおろしたカチョカヴァッロやプローヴォラまたはリコッタを加えたMaritata (Sposata)の、2つの種類がある。原型は貧しい庶民が生んだ前者。
脾臓(女性形)ではなくパニーノ(男性形)を主体にする場合、NubileはCelibeとなる(“独身”という意味)。
Muffolettaは、オリーブオイル、ゴマ、フェンネル、アニスなど各風味のバリエーションもある。
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Sfincione
スフィンチョーネ
厚くて柔らかいフォカッチャ。一般的には、ミニトマト、アンチョビー、オニオン、カチョカヴァッロ、塩、コショウ、オリーブオイルで味つける。シチリア方言でSfinciuniとも。
シチリア南部・アグリジェントでは、ジャガイモ、トマト、黒オリーブ、オニオン、ペコリーノをトッピング。
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【Antipasti/前菜】

Caponata di melanzane
ナスのカポナータ
ダイスカットした揚げナスを、トマトソース、タマネギ、セロリ、オリーブ、ケーパーなどとともに砂糖と酢で煮たもの。常温に冷まして食べる。島内各地でレシピは様々。
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【Primi piatti/第一皿】

Busiate al pesto trapanese
トラーパニ風ペーストのブジアーテ
トマト、アーモンド、バジリコ、ペコリーノ、ニンニク、塩、コショウを一緒にすりつぶし、つなぎにエキストラヴァージン・オリーブオイルを加える。
このペーストに合わせるのは、同じトラーパニ産パスタのブジアーテ(ブカティーニの一種)。Busiatiとも。
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Cuscus alla trapanese
トラーパニ風クスクス
トマトと香味野菜、オリーブ、ケーパーと一緒に煮込んだ魚介類を合わせたクスクス。
クスクスは、現地でMafaraddaと呼ばれるテラコッタの器で、粗挽きしたデュラム小麦に水を加えて粒状にし、底面にいくつもの穴があいたテラコッタに移して、香草をボイルした鍋の上で蒸す。
魚介のブイヨンを吸わせて30分ほどクスクスを寝かせるのがポイント。
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Macco
マッコ
ソラマメのポタージュ。シチリア方言でMaccuとも。
シチリア州ではフェンネルの葉でシンプルに味つけるが、カラーブリア州では短く切ったスパゲッティやトマト、唐辛子などが入る。
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Maccu di San Giuseppe
サン・ジュゼッペのスープ
豆類のミネストローネ。ソラマメ、ヒヨコマメ、インゲンマメ、グリーンピース、レンズマメを煮て、フェンネルの葉、ルリチシャ、トマト、タマネギを加えたスープ。シラクーザでは伝統的に栗も加える。
Corallinaという珊瑚形のショートパスタやクルトンを浮かべることもある。

‘Mpanata
ンパナータ
カルツォーネのような半月形、または円形の詰め物タルト。
シチリア東部沿岸地方では、アナゴ、エイ、ウツボ、ホシザメなど脂肪分の多い魚を具材にする。伝統的には干しダラやウナギを詰めたものがクリスマス・イヴに食べられる。

Pasta alla norma
ノルマ風パスタ
カターニア出身のオペラ作曲家・ベッリーニの代表作『ノルマ』にちなむ。
揚げナスとトマトのソースに、リコッタ、バジリコをのせ、主にスパゲッティなどのパスタに合わせる。
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Pasta c’anciova e muddica
アンチョビーとパンくずのパスタ
Pasta con l’acciuga e mollicaのシチリア方言。主にスパゲッティをつかい、アンチョビー、オリーブオイル、パセリ、唐辛子、炒ったパン粉でシンプルに調理。
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Pasta con le castagne
栗のパスタ
シチリア内陸部の貧しい料理が起源。どろどろになるまで栗を煮て、細かく砕いたパスタTaglieriniを一緒に茹でる。お皿に盛ったら、仕上げはフレッシュなオリーブオイルと黒コショウ。

Pasta con le sarde
イワシのパスタ
フェンネルの葉、干しブドウ、松の実、アンチョビー、黒コショウ、サフランで味つけたイワシのソースを、主にブカティーニなどのパスタに合わせ、トーストしたパン粉をまぶす。パレルモの伝統料理。
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【Secondi piatti/第二皿】

Braciolette di spada
カジキマグロのロール焼き
細かく切り刻んだカジキマグロを、パン粉、松の実、干しブドウ、すりおろしたレモンピールと合わせ、カジキマグロの薄切りで巻いてオーブンで焼いたもの。
島内各地で様々なレシピがあり、ケーパー、バジリコ、ペコリーノなどを加えることもある。砂糖で甘味を加えたレモン果汁Agrodolceで仕上げても美味。
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Coniglio lardiato
ウサギのラルディアート
豚の脂身を差し込んで柔らかくローストしたウサギ肉。

Falsomagro
ファルソマグロ
シチリア方言でFarsumagru、またはBruciuluniともいう。
叩いてのばした牛肉の薄切りに、牛挽き肉、卵、パン粉、ペコリーノ、ニンジンの千切り、ローズマリー、パセリ、ナツメグ、塩、コショウを合わせた具材を巻き、白ワインとともに焼き目をつけて、水でのばしたトマトソースに浸してオーブン焼きしたもの。
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Parmigiana di melanzane
ナスとパルミジャーノのオーブン焼き
ナポリが発祥とされるイタリア南部の伝統料理。シチリアでは、ゆで卵、タマネギまたは薄切りのジャガイモが加わる。
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Pesce spade a ghiotta
カジキマグロの煮込み
メッシーナ県沿岸部の伝統料理。切り身をトマトソース、ジャガイモ、オリーブ、ケーパー、セロリと一緒に煮込む。

Sarde a beccafico
ベッカフィーコ風イワシのオーブン焼き
二枚に開いたイワシに、パン粉、干しブドウ、すりおろしたオレンジとレモンの皮、松の実、塩、コショウ、砂糖を合わせた具材をはさんで巻き、オーブンで焼いたもの。
ベッカフィーコとはニワムシクイという鳥のこと。丸々に太った姿を例えたもの。
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【Contorni/付け合わせ】

Insalata d’arance
オレンジのサラダ
厚く切ったオレンジを、パセリ、スライスオニオン、エキストラヴァージン・オリーブオイル、塩、コショウで味つける。脂身の多い肉料理やボッリートとの相性が抜群。


【Formaggi/チーズ】

Pecorino siciliano DOP
シチリア産ペコリーノ
4ヶ月以上熟成させた羊のチーズ。黒コショウを加えたPepatoもある。

Ragusano DOP
ラグザーノ
ラグーザ県およびシラクーザ県産。6-12kgのカチョカヴァッロの一種。伝統的にはモーディカ牛razza Modicanaの牛乳でつくられる。
フレッシュなつくりたてはデリケートな甘味がある一方、最良とされる8-24ヶ月熟成のものは辛味がある。

Ricotta
リコッタ
主に羊の乳でつくられる。シチリアのドルチェやパスタに欠かせない。


【Dolci/ドルチェ】

Cannoli
カンノーリ
アラブ由来のドルチェ。筒状に巻いてオーブン焼きまたは揚げたチャルダに、果物の砂糖漬けを加えたリコッタのクリームを詰めたもの。
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Cassata
カッサータ
円形の型にスポンジケーキをしき、内側をパスタ・レアーレ(マジパンのイタリア南部の別称)で重ね、リコッタ、砂糖、バニラ、チョコチップを合わせたクリームで満たす。皿の上にひっくり返して型を外し、糖衣で覆って果物の砂糖漬けを飾る。
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Frutta di Martorana
フルッタ・マルトラーナ
パレルモにあるマルトラーナ教会の修道女たちがつくっていた菓子。パスタ・レアーレと呼ばれるマジパンMarzapane(アーモンドを挽いてシロップと練り合わせた生地)をつかい、様々なフルーツの形に仕上げる。
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Gelato
ジェラート
ヨーロッパにシャーベットSorbettoが伝わったのは、アラブ支配下の11世紀のシチリア。以後シチリアでは独特のジェラート文化が発達した。
朝食には生クリーム付きのエスプレッソ風味のグラニータGranita(かき氷)とブリオッシュが定番だ。
ジェラートをはさんだブリオッシュBrioche con Gelatoも、終日食べられるシチリアの名物である。
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Gelo
シチリア風ゼリー
スイカ味Melloneが最もポピュラー。チョコチップ、ジャスミンの花、砕いたピスタチオで飾る。他にもシナモン、サボテンの実、コーヒーなど様々な味でつくられる。