シチリア州は、ヴェネト州、プーリャ州と並ぶワインの大生産地だ。古代ギリシャ時代よりワインづくりが行われており、土着品種の宝庫でもある。
黒ブドウでは、力強いボディを生み出すNero d’Avola、タンニンの強いNerello Mascalese、果実味のあるNerello Cappuccio、フローラルなFrappatoなど多種多様である。白ブドウでは酸味の強いCarricanteや、Catarrattoが有名だ。
また、バリエーション豊かな甘口ワインは見逃せない。
Cerasuolo di Vittoria DOCG
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア
赤/辛口/Nero d’Avola 50-70%, Frappato 30-50%
フローラルでフルーティな香りと、調和のとれたまろやかな口当たりが特徴。
7ヶ月以上熟成(クラッシコは15ヶ月以上)。5-6年以内が飲み頃。ラグーザ近郊で生産。
Malvasia delle Lipari DOC
マルヴァジア・デッレ・リーパリ
白/甘口/Malvasia di Lipari 95%以内、Corinto Nero 5-8%
メッシーナ県リーパリ諸島の甘口銘醸ワイン。
Alcamo DOC
アルカモ
赤/辛口/Nero d’Avola (Calabrese) 60%以上
白/辛口/Catarratto 60%以上(クラッシコはCatarratto 80%以上)
その他、品種表示ワインは各種85%以上。特に白クラッシコの評価は高い。トラーパニ及びパレルモ県産。
Etna DOC
エトナ
赤・ロゼ/辛口/Nerello Mascalese 80%以上、Nerello Cappuccio 20%以内、他
白/辛口/Carricante 60%以上、Catarratto各種40%以内、他
カターニア県エトナ山麓で生産。
Noto DOC
ノート
赤/辛口/Nero d’Avola 65%以上、他
Moscato Bianco 100%の甘口白ワイン”Moscato di Noto”はかつて単独でDOCワインだった。
品種表示ワイン”Noto Nero d’Avola”は、同品種85%以上。
シラクーザ県。
Marsala DOC
マルサーラ
イタリアを代表する酒精強化ワイン。甘口。トラーパニ県。
スペインのシェリー、ポルトガルのポルト、マデイラを3大酒精強化ワインと呼ぶが、これにマルサーラを加えて4大ワインともいう。
非常に複雑なカテゴリーに分けられるが、熟成期間順にFine(1年)、Superiore(2年)、Superiore Riserva(4年)、Vergine o Soleras(5年)、Vergine Stravecchio o Riserva(10年)となる。
色によってOro、Ambra(それぞれGrillo, Catarratto, Inzolia, Damaschino種)、Rubino(Pignatello, Nero d’Avola, Nerello Mascalese種)に分けられる。
Passito di Pantelleria DOC
パッシート・ディ・パンテッレリーア
甘口/Zibibbo 100%
イタリア最高級パッシートのひとつ。トラーパニ県。