トレンティーノ=アルト・アーディジェ州は、白ワインの産地として有名だ。白ブドウの収穫量は全体の約60%で、黒ブドウを上回る。
3000m級の峰々が連なる渓谷沿いに、多様な品種が植えられている。いずれも山の白ワインらしく、香り高く清らかでフレッシュな酸をもつ。
赤ワインも良質なものが多い。
トレンティーノ地方では、濃厚な果実味とアーモンドのような後味が特徴のテロルデゴ種と、繊細なマルツェミーノ種を試したい。
南チロル地方では、デリケートなスキアーヴァ種と、果実味の濃いラグライン種が代表的だ。
Teroldego Rotaliano DOC
テロルデゴ・ロタリアーノ
赤・ロゼ/辛口/Teroldego 100%
トレント県産。飲み頃は3-4年。熟成度合いによってサラミやスープからジビエまで幅広く合わせられる。
Trento DOC
トレント
白・ロゼ/辛口/Chardonnay, Pinot Bianco, Pinot Nero, Meunier
シャンパンと同様の瓶内二次発酵でつくられる。州のみならずイタリアを代表するスプマンテ。
イタリアの瓶内二次発酵スプマンテの双璧・フランチャコルタDOCG(ロンバルディア州)は果実味が特徴だが、こちらはミネラルに富むシャープな味わい。
Trentino Superiore DOC
トレンティーノ・スーペリオーレ
トレンティーノDOCと同地域で生産。品種表示ワインはその品種85%以上でつくられる。
白ワインはMüller Thurgau, Chardonnay, Pinot Grigioが秀逸。
赤ワインは軽やかでフレッシュなMarzeminoが土地の独自品種で興味深い。
Nosiola 85%以上のヴィーノ・サントや、ヴェンデンミア・タルディーヴァ(遅摘み)の甘口ワインも見逃せない。
Alto Adige (Südtirol) DOC
アルト・アーディジェ(スッドティロル)
ボルツァーノ県産のほとんどのワインを含むため、バリエーションは多種多様。
地理表示ワインは、Schiava 85%以上の赤ワインSanta Maddalenaがローストやジビエなど肉料理によく合う。
品種表示ワインはその品種85%以上でつくられる。
白ワインは、Pinot Bianco, Chardonnay, Sauvignonの他、Gewürztraminer, Müller Thurgau, Kerner, Riesling, Sylvanerなどのアロマティック品種の評価は非常に高い。
赤ワインは、Schiava, Lagreinが個性的で、Pinot Neroも魅力的だ。
南チロル(ボルツァーノ県)ではラベルに併記されるドイツ語への理解は重要である。
Schiava
=Vernatsch
Pinot Nero
=Blauburgunder
Pinot Grigio
=Rülander, Grauer Burgunder
Pinot Bianco
=Weissburgunder
Traminer Aromatico
=Gewürztraminer
Rosè
=Kretzer