【Antipasti/前菜】
Boudin
ブーダン
豚や牛の血を詰めたサラミ。ブラッドソーセージSanguinaccioの一種。ただし現在では法規制によって、血は大部分がビートBarbabietraで代用される。
ゆでたジャガイモ、ラード、塩、コショウ、ニンニク、シナモン、ナツメグ、サルヴィア、ローズマリー、ジュニパーとともに腸に詰めて、約2週間乾燥させる。
フレッシュタイプはグリルやフライ、ボイルで食される。
Jambon de Bosses DOP
ジャンボン・ドゥ・ボッス
1397年には文献に登場する伝統的な生ハム。最低12ヶ月熟成だが理想は18ヶ月。ドライな塩気のなかにわずかな甘みを感じるデリケートな味わい。
Lardo di Arnad DOP
アルナ産ラルド
豚の肩や背の脂身を、様々なハーブを漬けた塩水で3ヶ月熟成。3ヶ月を超える熟成は白ワインに浸す。極薄切りにしてマロングラッセとハチミツを添える。
Mocetta
モチェッタ
カモシカやヤギ、牛の赤身肉を、ドイルDoilと呼ばれる容器でハーブと塩漬けにし、乾燥熟成させた生ハム。ドイルは伝統的には栗の木でつくられていたが、近年はステンレスやプラスチック製になっている。
【Primi Piatti/第一皿】
Crespelle alla valdostana
ヴァッレ・ダオスタ風クレープ
ハムとフォンティーナを包んだクレープ。1960年代に生まれた新しい定番料理。
Fonduta
フォンデュータ
いわゆるチーズフォンデュ。フォンティーナと牛乳、卵黄を合わせたソースを卓上土鍋で加熱し、串でクルトンを浸して食べる。温野菜を添えることもある。
ソースはフラン、リゾット、パスタなど他の料理にも活用される。
Gnocchi alla fontina
フォンティーナ風ニョッキ
ジャガイモのニョッキをバターとフォンティーナで味付けしたもの。いくつかの地域では、伝統的に蕎麦粉も使われる。
Polenta grassa
ポレンタ・グラッサ
チーズや他の乳製品をふんだんに使って味付けするポレンタ・コンチャPolenta conciaはイタリア北部のアルプス地方に広く普及するが、その一種であるポレンタ・グラッサはフォンティーナをのせてオーブンで仕上げる。
Seupa de gri
グリのスープ
精白した大麦(方言でグリという)、香味野菜、パンチェッタ、豚バラ肉のスープ。
Seupa valpellinentze
ヴァルペッリーネ風スープ
硬くなったパン、ラードで炒めたチリメンキャベツ、薄切りフォンティーナを重ね、肉でとったブイヨンをかけてオーブンで仕上げたスープ。
Seupetta cogneintze
コニェ風リゾット
硬くなったパンとフォンティーナをつかったリゾット。シナモンが香る。コニェの名物。
【Secondi Piatti/第二皿】
Carbonade
カルボナード
一口大に切った牛肉とタマネギをバターで軽く炒め、赤または白ワインと様々なハーブやスパイスで煮込む。フランス語名が一般的だが、イタリア語でカルボナータともいう。
Civet di camoscio
カモシカのシヴェ
シヴェとは、ジビエ肉を煮込む調理法の一種。肉をハーブやスパイスと一緒にワインでマリネして、マリネしたワインと血、細切れにしたレバーとともに煮込む。
カモシカの他、ノロジカCaprioloをつかうレシピもポピュラー。
Costoletta alla valdostana
ヴァッレ・ダオスタ風カツレツ
揚げた仔牛の骨付きロース(背肉)をフォンティーナで包んだもの。戦後に生まれた料理。
Fondue bourguignonne
フォンデュ・ブルギニョン
卓上土鍋で熱したオリーブオイルの中に、一口大に切った牛肉や豚肉を串で挿し入れて加熱してから、様々なソースにつけて食べる。いわゆるオイルフォンデュ。
「ブルゴーニュ風」の名だが、発祥は州に隣接するスイス。ピエモンテ州やフランスにも広く伝わる。スイスやフランスでは主に菜種油が使われる。
Trota alla valdostana
マスのヴァッレ・ダオスタ風
さいの目に切った野菜、レーズン、レモンピール、酢で調理。
【Formaggi/チーズ】
Fontina DOP
フォンティーナ
この州のシンボルともいえるチーズで、料理にも欠かせない。無調整の牛の生乳をつかうため脂肪分が高い。柔らかく弾力があり、加熱すると溶けやすい。
Fromadzo DOP
フロマッゾ
乳脂肪分を除去した牛乳が原料で、10%までヤギの乳を加えることもできる。香草などで風味をつける。3-12ヶ月熟成。
【Dolci/ドルチェ】
Blancmanger
ブランマンジェ
シチリアのBiancomangiareに似た菓子。アーモンドミルクと生クリームを煮て固めたプディング。
Crema di Cogne
コニェ風クリーム
牛乳、生クリーム、卵黄、砂糖、カカオを弱火にかけてつくるクリーム。冷ましてテーゴレを添える。
Montebianco
モンテビアンコ
日本でもお馴染みのモンブラン。おそらくフランス起源といわれるが、今日では同名のアルプス最高峰のあるヴァッレ・ダオスタ州と、栗の名産地・ピエモンテ州の郷土菓子とされる。
他州でも似た菓子はあるが、たとえばトスカーナ州ではMonte Amiataと名を変える。
Tegole
テーゴレ
「かわら」の名の通り、この州独特の瓦の形に似ている。砕いたヘーゼルナッツとアーモンド、小麦粉、砂糖、卵白でつくるビスケットの一種。