地中海の中央に位置するシチリア島は、その地理的重要性から古代より異文化が交差する「文明の十字路」として独自の歴史を築いてきた。
ギリシャ、カルタゴ、ローマ、ビザンティン、アラブ、ノルマン、フランス、スペインなどの支配を経て、19世紀のイタリア統一では重要な舞台ともなる。
なかでも13世紀、神聖ローマ皇帝・フリードリヒ2世(フェデリコ1世)がパレルモを本拠としていた治世には、シチリアはヨーロッパ・アラブ世界の学術・文芸の中心地として大いに栄えた。
当時の先進文化であったイスラムの影響は、現代のシチリア料理にも色濃く反映されている。
名産のオレンジ、ピスタチオ、フィーコ・ディンディア(サボテンの実)などはアラブ由来だ。干しブドウ、松の実、アーモンドなどのドライフルーツを料理につかうのも同様である。
イタリアで最も多い漁獲量を誇るシチリア州は、マグロ、カジキマグロ、イワシ、ウニなどをつかった料理が名物だ。内陸部では、羊やヤギ、ウサギもよく食べられる。太陽の恵みを受けたナスやトマトは欠かせない。
シチリアは街歩きが実に楽しい。目にも鮮やかなドルチェ、イタリア国内でも本場とされるジェラートやグラニータ、アランチーノに代表される揚げ物や惣菜などのストリートフードを、気軽に食べ歩いてみよう。
<県>
パレルモ(PA)
メッシーナ(ME)
エンナ(EN)
カターニア(CT)
シラクーザ(SR)
ラグーザ(RG)
カルタニッセッタ(CL)
アグリジェント(AG)
トラーパニ(TP)
シチリア野菜料理
カポナータ